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2012年10月の8件の記事

2012年10月31日 (水)

伊藤さんの凄すぎる絵

古仁屋の雑貨屋「MARCHE(マルシェ)」でカレンダーを買った。

25日の新聞で紹介された手作りのカレンダーだ。

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絵は古い写真を見てペンで描いたものだ。

表紙には大火前の古仁屋の街並みが描かれている。

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制作者の伊藤さんとは一度だけ話す機会があった。

友人に「面白い人がいる」と誘われて一緒に食事をしたのだ。

伊藤さんは、長い間劇画のスタジオでアシスタントとして働いた経験があり、その技術を活かして緻密な風景画を描きあげた。

友人が建てたというログハウスの絵をいただいた。

劇画出身なので絵は基本的にペン一本の白黒で描いている。

「子連れ狼」、「弐十手物語」、「おれは直角」等々・・・優れた作品群で知られるスタジオで鍛え上げられた腕前は半端じゃなかった。

これからも島の風景をペン画で描いていきたいとのことだった。

自称アナログ人間で、せめて作品をメールで送れるようになりたいと、パソコンを購入して勉強中らしい。

翌日東京へ戻ったが、次にまた島で会える日が楽しみだ。

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2012年10月30日 (火)

手話講習最終日

今日は5月から週1回行われた「手話講習会」の最終日だ。

講師は社会福祉協議会の責任者で手話通訳士でもある榮さん。そして聾唖者の立場から山下さんが助手を務めてくれた。

受講生は下は小学生から80歳までと幅広い。みな熱心だった。

出席率が良かった生徒には終了証書が授与された。

指文字で受賞者の名前が告げられたが、すぐには自分だと気付かない生徒も。

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その後は、テーブルを寄せてお茶とお菓子をつまみながらの交流会となった。

でも、皆まだ手話に自信がないから、なかなか聾唖者に話しかけられない。

講師が聾唖者と高速で手話するのをポカンと見ていた。

まるで外国人同士が会話しているみたい・・・。

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2012年10月28日 (日)

食の祭典~クロマグロのまち~

瀬戸内町海の駅で「第1回食の祭典」が催された。

瀬戸内町はクロマグロ養殖日本一ということで、「クロマグロのまち」を謳っている。

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クロマグロのキャラクターは僕がデザインした。

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これは、甲冑バージョン。

瀬戸内町には平家落人の伝承があるので、その甲冑を海で拾ったという設定だ。

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海の駅館内では島唄ライブをやっていて、たくさんの人が歌に聴き入っていた。

人が大勢いると活気があって良い。

毎月1回行われている朝市以外にもときどきイベントが行われて、海の駅が町民の交流の場になれば良いと思う。

フェリーの利用者と観光客だけではちょっともったいない。

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駐車場にはテント(屋台村)が並んで、クロマグロの内臓料理などが販売されていた。

「クロマグロ胃袋酢みそ和え」と「クロマグロのもつ餃子」「クロマグロのもつ煮込みうどん」を食べた。(写真を撮るのを忘れた(ーー;))

どれも柔らかくて臭みがなく美味しかった。

マグロの解体ショーの後、刺身の試食があったようだが既に終了していた。

なので、内臓しか食べてない。

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午後1時から、海の駅玄関前に設けられたプールで「魚のつかみどり大会」があった。

子どもたちが5人ずつ順番にプールに入って魚をつかまえる。

どの子も目を輝かせて夢中で魚を追っていた。

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なかなか捕まえることができない。

何組めかでようやくゲット。

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もしも大人参加のゲームだったら・・・。

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諸鈍シバヤ見物(5)

次の演目は「カマ踊り」

豊かな恵みに感謝し、次の豊年万作を祈願する踊りである。

これに似た踊りが奄美各地に伝えられているとのこと。

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次の演目は人形劇の「タマティユ(玉露)」

踊り遊んでばかりいた親不幸な玉露が天罰で大蛇に狙われる、という設定。

サンバトの説明では、中国の話らしい。

踊る玉露の背後の茂みから大蛇の尻尾がチロチロと見えている。

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大蛇が出現すると玉露はすかさず姿を隠す。

何度襲われても懲りずに踊り続けるのだから、玉露の根性もすごい。

でも最後は・・・。

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大蛇に飲みこまれた・・・らしい。

そしていよいよ最後の出し物は「タカキ山」。

「高き山から谷底見れば~」の唄で始まるから「タカキ山」。

仁徳天皇に関連があるとか。

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太鼓はもっと大きいものだと思っていた。

前が見えないくらい。

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すべての演目を終えてシバヤ人衆が勢ぞろい。

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義永元町長の音頭で万歳三唱の後、六調(ろくちょう)でお開きとなった。

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諸鈍シバヤ見物(4)

シバヤの次の演目は、華やかな踊りの「スクテングワ」

中国の宋が天下を掌握したときの祝いの踊りだと伝えられている。

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平家が宋と貿易をしていた頃に踊りの原型があるのだろうか?

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シバヤの第一部が終了した時点で、諸鈍集落・青壮年団の土俵入りが行われて、力飯が配られた。

握り飯とたくあんがセットでパックされていて見た目も良かった。

それから可愛いちびっ子シバヤ人衆が登場して会場を沸かせた。

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この後、タマティユ(玉露)役の女の子が、「みんな何してんの?」みたいな雰囲気で、行進から一人はぐれてきょとんとしていた。

その姿に小さかった頃の娘を思い浮かべてうるっときた。

未熟児で生まれて保育園までは他の子の成長についていけなかった。

(もちろん、玉露の子は違うだろうけど)

そこに突然シシ(保育園の先生)が現れて・・・。

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シバヤ人衆(園児)にボコられてました。

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諸鈍シバヤの第二部は、園児たちのお芝居をつなぐ感じで、「シシキリ」から始まった。

この演目に登場する女性(女装)は布で顔を覆い、シバヤで唯一紙面をつけない。

突如後方から悲鳴が聞こえたので、振り返ってみると全身長い毛で覆われたシシが観客の側を通って現れた。

美女を守る狩人(?)と対峙するシシ。

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ずっとゆっくりとした動作で演じるのかなと思いきや

シシが猛然とタックルした。

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レスリングの吉田選手のよう。

これで、体格が大きければ戦意喪失してしまう。

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シバヤでは無事にシシを退治できました。

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次の演目は寸劇の「ダットドン」

座頭のダットドンがすり替えられた自分の琵琶(ビワ)を求めて川を渡る場面をユーモラスに演じる。

芝居の間中「ダットドンはどこかい、川ぶちゃくまじゃ(ダットドンはどこにいる?川縁はここだよ)」の唄が流れる。

ダットドンはビワを探して焦っているはずなのに、なぜか、川を渡る前に野グソをする。

紙がないので葉っぱでお尻を拭くシーンまである。

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紙面をつけていないと恥ずかしい。

その後、スタタタタ・・・と立ち去るシーンで終わる。

ビワが見つかるといいね。

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諸鈍シバヤ見物(3)

演目の最初は「ククワ節」だった。

「ククハ~ドコカト~」の唄で始まるので、ククワ節。

壇ノ浦の戦いに敗れた平家の残党が、平敦盛の墓を探し求めて須磨の浦を小舟でさ迷う姿を表しているという。

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そういえば、腰に刀を差している。 ククワ武士・・・。

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こんな状況だろうか?

サンバトの説明では、この踊りが平家落人の証拠になるという。

次に登場したのが「シンジョウ節」

「しんじょう」という名高い法師の踊りと言われ、シバヤの中で最も格調高いものとされる。

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そう説明されて神妙に見ていたが、踊りの掛け声で「ホイ!」とか出てきて、思わず笑いそうになった。

本来踊り手一人のはずだが・・・?

3番目の演目は、「キンコウ節」

「兼好法師は徒然草~」という出だしで唄が始まるとのことで、キンコウとは、吉田兼好のことらしい。

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8人が円陣を組んで踊る手踊りである。

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でも、何で吉田兼好なんだろう?

2012年10月27日 (土)

諸鈍シバヤ見物(2)

シバヤが始まる前にエイサー太鼓が披露された。

エイサーのリズムはテンポと歯切れが良くて好きだ。

もしかしたら、こういう光景を見た観光客が沖縄と奄美を混同するのかも。

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続いて登場したのは、島唄の朝崎郁恵さん。

2002年に68歳でメジャーデビューしたとのアナウンスで、思わず歳を数えてしまった。

すごい。元気だ。

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そして、いよいよシバヤの始まり。

先ずは、シバヤ人衆の楽屋入り「イッソウ」が披露された。

拍子木、三味線、太鼓を打ち鳴らし、掛け声も勇ましく賑やかに登場する。

右手右足のナンバ歩きが基本とのこと。

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このシーンをこんなイラストにしてみた。

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「サンバト」(山高帽の翁)は、歌舞伎の三番叟(さんばそう)からきている・・・らしい?

彼が演目ごとに説明をしてくれる。

シバヤの順番は、必ず最初が「ククワ節」で、最後は「高キ山」と決まっているとのこと。

その間の演目は順番が入れ替わっても良いそうだ。

諸鈍シバヤ見物

10月23日(旧暦9月9日)に諸鈍シバヤを見てきました。

今回は、商工会が主催する「あっぽでぃ」のツアーに乗っかっての見物です。

大屯(オオチョン)神社の境内で、土俵を挟んで正面から間近に見ることができました。

これまで、遠く人ごみの隙間から見たり、境内脇の木の上から見たりできちんと声を聞き取ることができませんでしたが、今回は、サンバトの演目の紹介をきちんと聞くことができました。

シバヤを主催する諸鈍集落の相撲などの行事も一緒に行われました。

少年たちの相撲が行われている間に、シバヤ人衆(ニンジョ)の禊(みそぎ)となる「シュンハナツカイ」が行われました。

司会の案内で、現場を見るために集団に付いて海岸に降りていきました。

シバヤ人衆は一度も立ち止まることなく、そのまま波打ち際まで歩いていき、一列に並んだかと思うやおもむろに海水に手を浸して飛沫を頭に振りかけました。

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2、3度そうした後、また元の道を引き返して神社に戻っていきました。

海に向かって何か祝詞のようなものが唱えられたり、号令がかけられたり、柏手が打たれたり・・・とか、そういったものは一切なく、しごくあっさりと終了しました。

勝手に何か儀式めいたものをイメージしていたので、ちょっと拍子抜けしました。

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これからいよいよ国指定重要無形民族文化財「諸鈍シバヤ」の始まりです。