拾う神
もう10年ほど20リットル入りの水を定期的にとっている。
重い容器をしっかり支えるために外装のダンボール箱は丈夫にできている。
その空き箱に最初のうちは本など収納して積み上げていたが、毎月3個のペースで空き箱が出るので綺麗で丈夫なのにもったいないと思いながら処分している。
以前勤めていた会社では、貝肉を冷凍保存するために大量の空き箱が必要だった。
丈夫な空き箱を求めて町の商店を訪ね歩いていた。
それで、そういうところでならこの箱は役に立つのではないかと思い、後にできた同事業の会社にダンボール箱の提供を申し出た。
しばらくは空き箱の持ち込みを続けていたのだが、あるとき「持ってきてるんだったら置いてていいよ」という風にやや迷惑なニュアンスを感じてそれを最後に届けるのをやめた。
シーズン中は大量の空き箱が必要だが、それ以外の時期は保管場所に困るからかもしれない。
資源の活用と人の役に立っているという自負をくじかれた思いだった。
そんな中、実家にあった二層式洗濯機を処分することになって、一旦家まで運んで外で回してみたらちゃんと動くので廃棄するのが勿体なくなった。
以前介護施設では二層式洗濯機が活躍していると聞いていたのを思いだし、介護施設の事務所に申し出てみた。
数日経ってから引き取りますとの連絡があった。
家の外に出しておけば回収するとのことだったので駐車場の隅に置いた。
あれからだいぶ経っているけれどあの洗濯機は今もちゃんと働いているのだろうか?
「捨てる神あれば拾う神あり」
人も物もできればそうであってほしい。
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