お盆がきた
台風11号がお盆(8月8~10日/旧暦7月13~15日)に重なるように接近していたので
迎えの日当日は外には出られぬかもしれないと、早々と墓参りを済ませておいた。
ところが、案に反してそれほどの風も吹かず雨も降ったり止んだりの天気だった。
猛々しい風雨を窓に眺めながら、やっぱりな、先に墓参りをしておいて正解だったよ。と、自分の先見を誇るぐらいの気持ちでいたのだが、
ぜんぜん大丈夫な状況で墓に出向かずにいるのは妙に居心地が悪い。
すでに祭壇を整えて線香などあげているのだが、はたしてご先祖様は来られているのか、それとも、まだ墓の中で迎えが来るのを待っているのか・・・?
予定通り?暴風雨の中ならばこんな落ち着かない気持ちにはならなかったのに・・・。
すでに何本もの線香をあげた揚句ではあるが、夕方近くになってからやっぱりお迎えに行くことにして墓へ向かった。
なぜか墓へ着いた途端に雨が降り、まるで決断の悪さを責められているような・・・。
苦労して火をつけた線香はすぐに消える。
長く雨の中にいたくないので手短にごにょごにょとお迎えに来たことを告げて、ペンライトを点灯。
迎え火の代わりである。
これを目印に家までついてきて・・・と。
火の入った提灯を提げながら運転をするのは危険だからだ。
提灯に気を取られて運転を誤れば僕がホトケになりかねない。
実家のご先祖様たちを家にお連れした後、今度は嫁の実家のご先祖様たちをお迎えに。
無事に迎えを終えた後は、やるべきことをやった的な落ち着いた気持になれた(笑)
はたしてご先祖様たちは、静かに台の上に鎮座しているものなのか、それとも、家の中をうろうろと歩き回っていたりすのか?
牌の名前を読みながら顔を思い浮かべたり、ちらちらと気配のようなものを感じて想像したり
日頃それほどの篤い気持ちもなく仏壇に手を合わせている不心得者の子孫としては、「お盆」はご先祖様と正面から向き合う貴重なひとときといえる。
それと
ご先祖様を通して、線香を捧げてくれる訪問客とのつながりを意識するときでもある。
あの世の人とこの世の人とに支えられてなんとかやっています。ほんと。
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