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2011年3月13日 (日)

携帯電話からの恐怖

3月11日の午後2時48分、娘から携帯電話がかかってきた。

仕事中だったので、迷ったがとりあえず電話に出た。

「もしもし」小声で、今仕事中だから、と言おうとしたら、いきなり、

「お父さん、地震!地震! すごい揺れてる、怖い!」叫び声が聞こえた。

娘は地震とか雷に対して極端な怖がりなので、「今、地震があるの? 大丈夫だよ、すぐにおさまるから・・・」となだめようとした。

が・・・、何かが倒れる音がする。娘の声もこれまでとは違い悲鳴に近い。

さすがにただ事ではなさそうだと思い、向い側に座っている同僚に、「今つくばに居る娘から大きな地震が起こっていると電話がかかっている。関東地方で地震が発生しているかも」と告げた。

電話の声はほとんど涙声になっている。

かなり長い間揺れているようだ。離れているので、助けをもとめられてもどうしようもない。

やがて、揺れが収まり、外の様子を知らせてくれた。部屋から見える場所で家屋の屋根が崩れているらしい。人々が慌てて外へ飛び出してきたとも。

自分も出た方がいいか聞かれたので、とりあえず、玄関のドアを開けて、まだ部屋に残るように指示した。屋根が崩れるようなら、余震での落下物が怖い。

もし、窓ガラスが割れたり、壁に亀裂が入ったら、外に出なさいと言ったが、そうなった場合アパートの階段を駆け降りることができるだろうか?

すぐに余震がきた。さっきよりは揺れが小さいという。

同僚たちが、インターネットやテレビで大きな地震の発生を知り、職場は騒然とし始めた。

つくば市は震度6だったと後で知った。

やがて携帯電話の通話ができなくなった。

町に津波警報が出され、海岸付近の住民に対し避難勧告が出されたが、それよりも関東に住む子どもたちや兄弟、友人のことが気がかりだった。

連絡がとれなかった息子から無事だとメールが届いたのは夜だった。

テレビでは信じられないような惨状が報道され、度々地震警報が流れていた。

その晩、僕らは、テレビをつけっぱなしで、携帯電話を握りしめながら床に就いた。

友人たちの無事を確認できたのは、翌12日の昼だった。

余震は、まだ続いているようだ。

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