種を蒔こう
娘が帰省するたびにバラの鉢が増えていく。
バラは挿し木をして増やしていたが、最近は色々な花を種から育てている。
忙しいのかやる気がないのか分からないが一向に庭を整備しようとしない父親を見限って、一人せっせと庭の手入れをしている。
そして、密かにあちらこちらに種を蒔いているようだ。
何もなかったところに花が咲いて初めてここに種が蒔かれていたのかと気づく。
色とりどりにアネモネが咲いたところの雑草を抜いて、父も少しは庭のことを気にしているんだよ的なポーズをとろうとしたら、「それは雑草じゃないから」と制止された。
この葉は・・・、この葉は・・・と教えてもらったが、僕には花と雑草との区別がつかない。
つまり、何かが咲いてくれるまでうかつに手をつけられない。
指導的立場の娘はたまにしか帰ってこないので、日常の世話は、LINEで成長過程の写真を送って指示を仰いでいる。
つまり、遠隔操作されている?
とはいえ、きれいな花が咲いてくれるのは素直に嬉しいし、そうした環境をつくってくれる娘にも感謝している。
日々新たな花苗が生まれているが、それぞれ成長したらどんな花になるのだろうか?
何であれ、種を蒔いておくと未来への楽しみができる。
頑張れば、キボウノタネが蒔かれて、いずれ何かしらの花が咲くかもしれない。
逆に何もしないでいると、シンパイノタネが根付いて、気の滅入る雑草がはびこるかも。
なので、たとえ微少でも楽しみとして種を蒔いておきたい。
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