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2019年3月29日 (金)

試行錯誤のTシャツたち

フリーランスとしてイラストを描き始めてからしばらくして、自分でTシャツを作るようになった。

もちろん裁縫ではない、無地のTシャツにプリントするということだ。

どこかそうした店で事前にTシャツ作りのノウハウを学べたならスムーズに事が運んだかもしれないが、全部独学で試行錯誤しながら始めたことなので躓きよろめきながらの開業だった。

最初は、手軽にできるアイロンプリントを試してみたが、着続けているうちに微妙にヨレてくること、洗濯に弱いこと、さらに、プリントした部分の通気性が悪いこと…がネックになって、1年足らずで制作を止めた。

(おかげで、アイロンプリントの専用紙がたくさん余ってしまった)

次にアイロンプリントの弱点である耐久性のなさ、通気性の悪さをカバーできる手法として、昇華プリントに取り組んだ。

ポリエステル繊維を直接染める方式なので、生地の風合いや通気性が損なわれることはない。何度洗濯しても色落ちしない耐久性もある。

弱点としては、プリントしたときに生地の色の干渉を受けること。

白地になら問題ないが、それ以外では淡色でないとプリントしても色が出ない。

よく見かける黒や紺や赤といった濃色のスポーツウェアは、白い生地全体を染めてからシャツに仕立てているものだ。

さすがに、そんな大掛かりなことはできない。

自分でイラストを描いて、Tシャツにプリントして、それを販売する家内制手工業だ。

なので、生産効率は良くないが、自分のペースで進めていけるので、イラストやマンガの仕事を優先させながらTシャツ作りもやっていけているのだ。

始めてすぐの試行錯誤を繰り返している頃は、素材の選定、プリントの位置取り、ヒーターの温度、プレスの時間…何から何まで手探りで、それこそおびただしい数の失敗作を作ってしまった。

色合いも一度試しに作ってみないと分からないので、修正を繰り返すたびに微妙に色合いの違う試作品が増えていくことになる。

パッケージの方法も色々と試してみた。

Tシャツを入れる袋やシールなどは、いくつも取り寄せて比較して今のものに落ち着いた。

中に入れるカードやシールの表示は、今だに完全には定まらず微妙に変化し続けている。

自分で直接販売しているわけではないので、実際にお客さんにどう受け止められているのか判断できず、そこもイメージしながら悩ましく作っている。

一定期間売れ行きが悪いデザインは、売り切りでお蔵入りにして、新しいデザインを考える。

なので、デザインは増え続けていくことになる。

悩めるTシャツ屋、彷徨えるTシャツたちだ。

Dsc_0412

こんな風に丸めて販売する方法を考えた時期もあったっけ。

思いつきをすぐに実行できるのが個人事業の良いところかもしれない。

大変だけど面白い。

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