カトクの浜が変だ
嘉徳小学校跡地の美術館を出て浜へ行ってみた。
バスの停留スペースを抜けて浜辺へ近づくと眼前に海が・・・あれ?
以前はアダンのトンネルをくぐって浜へ出たはずだったが?
アダンの茂みが消えていた。
わずかに残ったアダンの脇を抜けて浜へ踏み出すと砂浜がいきなりドンと落ち窪んでいた。
まるで線を引くように、段差にずらりと土嚢が並べられている。
下から眺めると何かまずいことが起こりつつあるような不穏な光景に映る。
散乱している漂流ゴミの多さもそう感じさせた要因かもしれない。
浜辺を歩きながら集落と浜との境界に植わっているアダンの防風林を見ていった。
新聞でアダンの根を支えていた砂が消えたと報道されていたからだ。
どこがそうかと思っていたら、すべてそうだった。
おそらく、あの土嚢が積まれた段差の分だけ丸ごと砂が消えてしまったのだ。
”砂”という言い方は生易しいかもしれない、印象としては、浜そのものが欠けてしまっていた。
新聞には台風のせいと書かれていたように思うが、台風なら遥か昔から何度となく上陸したはず。
短期間でこれだけの変化が起こったのには、他に何か理由があるのではないだろうか?
いずれにしても、記憶にある広い広いカトクの浜はもう戻ってこないのかもしれない。
今度こそと世界自然遺産登録に向けて機運が高まる一方で、肝心の自然が縮んでいってはいないだろうか?
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