パンがない
台風18号が群島をかすめていった。
風の影響はそれほどではなかったが、海上が大時化だったために数日間フェリーが運行されなかった。
島のあるあるとして馴染みの風景になったが、スーパーや小売店の棚から食品が消えてしまった。
内地から入る野菜やパン類などが品薄になる。
特にパンがひどい。
今日名瀬の大型スーパーを何店か訪ねたがパンコーナーの棚は空っぽ、ほとんど何もなかった。
流通を数日止められるだけでこんなにも離党の脆弱さが浮き彫りになってしまうのか?
毎日の流通を前提とした社会は、もし、何か災害があって交通が遮断されたらあっという間に窒息してしまうということか。
考えてみれば、世の中のシステムのほとんどが、流通というか、流れ(フロー)を前提として成り立っている。
失業して、あるいは倒産して、お金の流れが遮断されれば、いずれ路頭に迷うことになる。
食事が途絶えれば飢えてやがて死に至る。
ガソリンは常にスタンドで補給でき、ガスで火が起こせ、電気が流れているおかげで文明的な生活が送れている。
今も未来も必要とする様々なものが常に流れ続けていることが大前提になっている。
もしも、核戦争が起きたら・・・もしも、南海トラフでの大地震が起きたら・・・もしも、世界中で食料や資源が不足したら・・・
たちまち流れがせき止められて、これまで当たり前だと思っていた状況が一変する。
明日も明後日もその先もずっと同じように続くと思って漫然と過ごさず、今日一日を大切にしないといけないな、と
仕方がないので食パンに粒あんとバターを塗りたくって食べながら思った。
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