柔道乙女の一撃
女子柔道の代表監督をしていた園田さんが選手たちに日常的に暴行を加えていたとして監督を辞任したニュースが報じられたときに、最初に思ったのが、「女子15人の告発だけで柔道連盟がよく対応したな」ということ。
こういくケースでは不祥事が外に出ないように内部で揉み消しにかかるのが普通?だからだ。
でも、背景が詳しく報じられるようになって、やはり最初は内輪だけで事なきに済まそうと画策していたことが分かった。
昨年10月に告発された時点で選手たちとの信頼関係は崩れていたはずなのに、引き続き監督の座に居座り、今年事が公になってから急に「選手たちとの信頼関係が・・・」うんぬんを理由に監督を引退するのは、これ以上問題を大きくしては自分たちに飛び火すると感じた上層部からの圧力があったに違いない。と、ほとんどの人が怪しんだのではなかろうか?
その後日本柔道連盟トップの吉村理事が引責辞任という形で退いたが、テレビの記者会見で「腹はくくっていた」という発言には「ちっ」と舌打ちするようなニュアンスが感じられた。「結局俺もやめる羽目になっちまった」的な。(個人的な感想)
しごきは当たり前的な体質が染みついた世界の中で、自分が潰されるかもしれないリスクをかけて告発に踏み切った柔道乙女たちの勇気に拍手を送りたい。
それにしても肩書きって大事だなぁと思った。
テレビで見た吉村元理事の強面は予備知識がないと暴力団の人かと思ってしまう・・・。
ところで、この問題をきっかけにスポーツ界の著名人のコメントが紹介されたが、目からウロコだったのは、「しごき」が日本特有のものだってこと。(ほんとかなぁ)
スポーツに限らず、ビンタや棒打ちは小学校からずっと味わって?たので、「指導」にはそんな要素も含んでいると思っていた。
僕らの年代はほとんどそんな目にあっているはず。
あれって、やっぱり間違っていたんだ!
まあ、教師の一発目をかわして恥をかかしたために、その後ボコボコにされた生徒を見たりすると、あれが正しい行為とは誰も思ってなかっただろうけど。
野球の桑田さんが「絶対服従の関係で暴力をふるうのは一番卑怯なこと」とコメントしたのは、とても説得力があった。
ただ、ある程度経験を積んだ社会人なら言葉だけでの指導も可能だと思うが、高校生以下の子すべてに有効かどうかわからない。「体罰厳禁」をいいことに図に乗ったり、怠けたりする子が出る可能性も否定できない・・・「叩いてみろよ、親に言いつけてやるからな}と教師を脅す生徒の話も聞いたことあるし。
評論家は、「信頼関係を築くことが大事」と簡単に言ってのけるけど・・・。
先ずは、日本のスポーツ界(こんなに大きく括っていいのか?)の「なんとなく体罰容認」の体質を改めていく必要があると思う。
そして息子へ、
小さいときに言葉より先に手をあげたことを謝る。(もっと大人になってから親になれば良かった・・・。)
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