一途に何度でも
夫と子供ふたりのために手編みのセーターやショールをプレゼントしたいと何十年ぶりに編物を再開した女房だが、技術的なことを色々忘れていて失敗を繰り返している。
名瀬で編物教室を開いている先生に指導を受けながら、勘を取り戻そうと一生懸命だ。
毎日のようにストーブの前に座って(極度の寒がりなのだ)、せっせと編物をしているかと思えば、「間違えた~」とうめきながら毛糸をほどいている。
うまくいっているときには、「ほら、こんなに出来た!」と子供のようにはしゃいでいるが、しばらくすると、ほどいた糸の横で机に突っ伏して死んでいたりする(笑)
何度も何度も挫折しながら、プレゼントして喜ばせたい一心で挑戦し続けている。
今回はプードル・・・何とか・・・という特殊な糸を使って編んだものが、本に書いてあるサイズにならないので、毛糸のメーカーに問い合わせたようだ。
すると、編み棒のサイズが10ミリを10号と間違えたようで、メーカーの人から「よくそれで編めましたね」と半ば呆れられたらしい。
ほとんど完成したものをまた解くはめになった。
しかし、今度の糸はくるくると巻いた特殊な毛糸なので、ほどくのが難しく風合いも損なわれてしまうようだ。
「ばか、ばか、ばか!」と自分を責めつつ、泣きながら糸をほどいていた。
2時間ほどかかってほどき終えると疲れきった様子でそのまま寝室に入った。
「もう嫌!」 「もうやめる!」とか言っていたが、見ると、ほどいた毛糸を丁寧に紙袋に収めてあった。
なんだろ、この一途さ。
ちょっとジンときた。
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