請島の大山に登った
2月27日標高398メートル、奄美大島では4番目に高い大山(ミヨチョン岳)に登った。
奄美の各地で催された「シマ博覧会」のプログラムに参加してのことだ。
この山の頂上は、地元の人には知られていたが、一般の観光客が登るようになったのはごく最近とのこと。今は登山ルートもできている。
請島に渡るためには外海に出ないといけない。その日は時化ており、大きなうねりに船酔いする人が続出した。僕は、元々乗り物に弱いので、最初から用心して酔い止めの薬を飲み、船室で横になっていたので何とか無事だった。
池地(いけじ)の公民館でしばらく休んでから、入山にあたっての注意事項などの説明を受けた。
数台の車に分乗して、登山 口まで移動した。車は坂道をどんどん登っていった。このまま頂上付近まで車で行くのかな?
と、思っていたら、中腹あたりで降ろされた。
区長さんの奥さんが用意した塩をなめて、いざ入山。手つかずの自然が残っている林の中の草を踏みしめながら、ひたすら坂道を登り続けた。
そろそろ暖かくなってきたので、ハブが活動を始めるのではないかと少々ビビりながらも、珍しい植物群に夢中でカメラを向けていた。
途中途中で案内役を勤めてくれた池地(いけじ)の区長さんが、この先は集団自決を行おうとした場所、ここは戦闘機が墜落した場所と歴史の片りんを語ってくれた。
約30分ほど歩いて頂上に着いた。大きな一枚岩を登ると、
「うわーすごい、すごい」と思わず声をあげたほど、眼下にほぼ360度の絶景が現れた。
岩の端ににじり寄って、下を見る。ぐーっと吸い込まれそうな感覚だ。
今日の天気は予報では雨。濡れることを覚悟できたが、いかなる幸運か、雨は少しも降らず、お日様さえ顔をのぞかせた。
岩の上の思い思いの場所で弁当を広げて食べた。こんな景色を見ながらご飯を食べることってこれから先にあるだろうか? そんなことを思いながら、しばし充実感に浸った。
度胸のある人たちが岩の端に寄って記念撮影をしている。見ていて手に汗が出る。
僕は高いところは割と平気な方だが、さすがにこの岩の縁近くに立つ気にはなれない。
1時間以上岩の上で過ごしてから、元の道をたどって下山した。
登山口から道路に降りると、区長さんの奥さんがグァバでつくったゼリーを手渡してくれた。山の頂上に登った達成感とともに甘いゼリーをほお張った。う~ん満足。
で、帰りも時化。
来たときと同じように、1階の船室でひらすら寝る。
古仁屋の港に着いたときには、興奮と山登りの疲れとローリングする船のせいで、疲労感が全身を襲い、目を開けていられない状態だった。
家にたどりついて、ホットカーペットの上にどっと倒れこむと、そのまま眠ってしまった。
岩から落ちる夢を見た。
コメント