こだわりの黒糖を
奄美の土産物屋では当然ながら黒糖が売られている。
固いものがあれば柔らかいものもある。大きな塊もあれば砂のような細かいものもある。でも味はどれもほぼ同じ・・・だと思っていた。
色々ある中で「古式純黒糖」という製品がある。黒糖の色が薄くにごりのない茶色の砂糖だ。
今日その製糖工場を訪ねてみた。
工場に近づくと甘酸っぱい匂いがする。ちょうどサトウキビの絞り汁を煮込んでいるところだった。
丁寧に灰汁をとりながら煮詰めていくとだんだん煮汁が濃くなっていく。煮汁が少しべたつくようになった時点で味見をして取り出すタイミングを計っている。
窯の火を落とし、すばやく煮汁を撹拌機に移して機械を回すと、見る間にあの黒糖ができていった。
一区切りついたところで出来立ての黒糖の味見をさせてもらった。口の中でするするっと溶けて独特の甘い味が広がった。
「美味しいでしょう」 さっきまで窯の熱気の中で煮汁を撹拌していた女性(社長)がこれまでの苦労や純度の高い黒糖作りへのこだわりを話してくれた。
サトウキビ作りから自分でやっていて、化学肥料などは使わないそうだ。しかも鮮度を落とさぬよう収穫されたキビは翌日には絞るようだ。
品質にこだわりすぎるため採算性は悪いと笑う。
昔ながらの柔らかい品種のサトウキビを使った製品もある。味がとても良いのだが、台風などに弱いので農家には敬遠される品種だ。煮ているときに黄金のような鮮やかな色が出るので「黄金糖」と名付けたとのこと。
色々苦労している様子なのに、それを楽しそうに語ってくれるので、聞いているうちに元気をもらった気がする。
社長さんが美人なのもいい。明日お店で買ってこよう。
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