可愛いのが仕事
2014年、捨て子から育てていた犬のピースが死んでしまい、入れ替わりにフクロモモンガのノアがやってきた。
妻のかつての教え子がペットロスの慰めになればと譲ってくれたのだ。
最初に見たときは、不釣り合いな大きな瞳に少し違和感を覚えたのだが、慣れてくるともう、最強の”つぶらな瞳”にしか見えない。
最近は、元の名に”子”をつけてノア子と呼んでいる。
かわいい女の子だ。
中年のおじさんがケージの前で「ご飯だよ〜、おいで〜美味しいよ〜」と猫なで声で戯れている姿は側から見ると不気味。
でも、フクロモモンガは見た目も仕草も鳴き声もみんな可愛いのだ。
どうしよう。
たまに食べ物と間違えられて指を噛まれたり、爪を立てて手にぶら下がったり、おしっこをかけられたりするが、仕方がない、可愛いからぜんぶ許す。
ご飯は、一日一回夕食だけ。
わざとケージの扉にプレートを置いて、しばらく間近で食事の様子を見ている。
好物は甘い果物で、野菜は残すことが多い。
他には豆腐やヨーグルトなども大好きで、気に入った食事のときは喉をクプクプと鳴らして喜ぶ。
また、昆虫も食べるので、愛くるしい顔で乾燥ミルワームをわしづかみにしてバリバリ食べている姿は、見ていてちょっと複雑な気持ちになる。
最近気になっているのは、動きが少し緩慢になってきたこと。
以前は元気よく飛び跳ねていて、その拍子に扉が開いて脱走したこともあったほどだったが、近頃はもそもそと歩く姿が目立つようになった。
うちの娘になってから約5年、もらったときに2歳だと言われていたので、もう7歳くらいか?
フクロモモンガの寿命は、7〜12歳くらいが平均らしい。
元気なお転婆娘もいつの間にかお婆ちゃんになってしまったということか?
夜行性なので昼間はほとんどポシェットの寝床の中で丸まって眠っている。
いつの日か…そんな日は永遠に来なければいいけど、夜になっても起きてこないという日がくるのだろうか?
最近は、朝起きたときにケージの下にうずくまった塊がないかと息を詰めて見に行ったりする。
飼っていたインコが、何の前触れもなくある日突然死んでいたときの映像がダブってしまって怖いのだ。
だから、元気にご飯を食べている姿を見ると、安心して感謝したいような気持ちになる。
可愛いのが仕事のノア子の仕事ぶりをいつまでも見せていてほしい。
ここで食べている間中ずっといい子いい子して撫でている。
あまりに可愛いのでLINEスタンプを2個も作ってしまった。
いろいろなエピソードを四コマ漫画にしたいとも考えているが、ノア子がまだ元気なうちに始めないといけない。
親じゃないけど、親バカ状態だ。
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