落雷の記憶
「奄美地方はこれから竜巻や落雷が発生しやすい天気になりますので十分注意してください」
テレビで注意を呼び掛けているけれど・・・どうしようもないではないか。
闇夜に発生する竜巻は見えないし、落雷はかわせない。
ケチをつけながら、たまに光る稲妻にドキリ。
家の周りには高い建造物がないので、この辺に落ちるならわが家か?とか考える。
はるか昔、僕が中学生のときに目の前でカミナリが落ちるのを見た。
どしゃぶりの日に友だちの家の玄関でおしゃべりしていたら、目の前に庭にオレンジ色の光がダダダダダ・・・と走ったのだ。
腰のあたりの高さで一直線。まるで映画で見た機銃攻撃のような感じ。
たぶんカミナリの電気が水道管に沿って走ったのだろう・・・ということで、なんとなく納得?した。
もう1回は、会社勤めをしていたとき。
やはりものすごい雨で、激しく雷鳴がとどろいていた。
「すごいね。そのうちここにも落ちるんじゃない?」とか、半分怯えつつ、事務所の同僚と軽口を叩いていたら、
本当に落ちたのだ。
いきなり「ドーン!」とものすごい衝撃があって、窓ガラスがビリビリと震えた。
「近くに落ちた!」と、皆で外の様子を見たが特に変化は認められなかった。
てっきりすぐ近くの自衛隊の送電鉄塔か避雷針に落ちたと思いこんでいた。
だが・・・翌日、事務所と独身寮に接地している庭に出てみると、そこに立っているガジュマルの樹に落ちたことが分かった。
二股に分かれているうちの片方が折れてごろりと地面に転がっていたのだ。
折れたところはまっ黒こげに煤けていた。
「ここに落ちたんだ! ずいふん近いとは思ったけれど、ここだったんだ!」
僕らのいた事務所まで10メートルちょっとの距離である。
それ以来、落雷は自分の周りで「あり得る」こととして、雷鳴がとどろく日に例えば傘は先端が金属のものを使わないとか、用心している。 一応。
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