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2011年4月の1件の記事

2011年4月 4日 (月)

ひそかに供養をしていた

3月21日の休日

加計呂麻島に車で渡って日帰りのドライブをした。

生間(いけんま)港から上陸して、海沿いの道を東に走り、瀬相(せそう)の戦闘指揮所跡を見に行った。

慰霊碑と壕の他には何もないところなので、ふだんは人が訪れない場所だと思うが、そのときは軽自動車が一台停まっていた。

観光客かな?と思って、近づいてみると、

お坊さんが一心にお経をあげていた。

Dsc01791

あれ、今日は何の日だっけ?

てっきり町か集落の行事で法要を行っているものだと思った。

でも、お坊さん以外に誰もいない。

変だなぁと思いながらも、邪魔をしてはいけないと思い、離れた場所でじっとお経が終わるのを待った。

Dsc01792

(あ、終わったみたい。)

車に椅子や焼香の道具を積み込んで帰ろうとするお坊さんを呼びとめて聞いてみた。

お坊さんは、関西から来られた方で、子どもの頃瀬相に住んでいたらしい。

そして戦争が激しくなる前に奄美を離れたとのこと。

何年か前に久しぶりに訪れたら、多くの方が戦争の犠牲になっていることを知って、供養をしてあげようと思ったらしい。

毎年春と秋の頃に加計呂麻島にやってきて、瀬相と三浦の慰霊碑に線香を手向け、お経をあげているとのこと。

「勝手なことをして申し訳ありません。(私がこうして生きているのは、)誰かが私の代わりになったのかもしれないと思って、少しでも霊を慰めようと思ってやっとります」

咎められたと思ったのか、関係者だと思ったのか、弁解するように言うと、一礼して去っていった。たぶん三浦の慰霊碑に向かったのだろう。

いつもなら形式的なもので済ませるけど、僕も慰霊碑に深く頭を下げた。