不撓不屈のバナナ
うす暗くなって庭に出たときにふと気配(?)を感じてバナナの樹に近づいた。
するともう枯れてしぼんだとばかり思っていたバナナが下がっていた。
ぼんやりとした暗がりの中だったが色づいているのがわかった。
「うそ・・・」
今年は台風の直撃を受けて、門扉は壊れ庭のバナナの樹も倒された。
夏に小指ほどの小さな実をつけていたバナナの樹もあったが、もうすぐ地面に着きそうなほど傾いていた。
まだ折れてはいなかったので、突っかい棒をしてようやく斜めのままで持ちこたえることができた。
しかし、葉は散れ散れに裂かれ、枯れて細くなった葉がかろうじて残っている小指ほどのバナナにからみついていて、「ああこれはもう駄目だな」と思えた。
定期的に庭の手入れをするマメさがないので、わが家の庭は荒れ放題に近い。
そんな過酷な状況の中で今年バナナが3回実をつけた。
しかし、3回目の今度のバナナは小さく樹も瀕死の状態だったのでまともに成長するとは思っていなかったのだ。
なので、普通ならまだ青いうちに収穫して家の中に吊るして熟させるのだが、今回は黄色く熟れるまで気づかずにいた。
見た目は少し悪いが味はまあまあだった。
バナナの樹のがんばりを思うとひとつも無駄にしないで大事に食べようと思う。
ありがとう。
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